名誉院長のブログ Page1


名誉院長

名誉院長からのメッセージ

歯科衛生士

 


名誉院長からのメッセージ バックナンバー 《1~10》


10.《歯はなぜ抜いてはいけないのか》
9.《歯を甘く見ると人生の後半でしっぺ返しをくらう》
8.《最近あったちょっといい話》100歳の患者さんからの伝言
7.《後藤歯科医院のインプラントに対する考え方》
6.《虫歯って何?その②》
5.《患者さんの涙》
4.《虫歯って何?》
3.《テレビ出演とその後の電話》
2.《鼻の頭とダイヤモンド》
1.《チーム医療システム》


<<《Vol 11~Vol 20》 



Vol 10 《歯は何故抜いてはいけないのか》

先日友人からメールがあり、アメリカに嫁いだ娘さんからインプラントにするのはいかがなものかと、レントゲン付のメールを受け取りました。

早速レントゲンを見ると、難治性の症例ではあるものの、根の治療をすればこの歯が保存できそうだったので再度根管治療してみてはと返答しました。

この根管治療は時間と術者の根気の要る治療で、予後も難しく抜いて入れ歯やインプラントにするケースも多いのが現状です。では、歯を抜くといかに損をするのか考えてみましょう。食いしばると力が増した経験はありませんか?これは歯があるからで、自分の体重を支えるために歯はとても大切なのです。

また、歯の根の周りからは無数の神経が脳につながっていて、脳に色々なデータを送ります。脳はそれに対して、力を加える、加減する、害があるものを食べないようにする、などの指令を筋肉に送ります。脳トレをすることにより機能するようになり、私たちは美味しく食事出来ているのです。ということは、出来る限り歯を残すことが、自分の体にとってはるかに効果があるのです

そして、口腔内すべての歯の中で糸切り歯はとても大事な働きをしています。

昔、我々の祖先は戦うために牙である糸切り歯を使って、敵と戦ったり、えさを確保するなどの働きをしていました。しかし、脳の発達により道具を使用するようになって、糸切り歯を使う必要がなくなりました。しかし、それと引き換えに、雑食動物になったため、糸切り歯は奥の歯牙を保護すると同時に、顎のコントロールする大事な司令塔になりました。

ですから、糸切り歯を失うこと大きなダメージを受けます。これらの膨大なデータを脳に送る指令塔は、とても入れ歯やインプラントなどでは代替は不可能だからです。ある意味で、糸切り歯を失うことは、残っている歯があっても、総入れ歯と同じくらい機能が低下してしまうと言っても過言ではありません。

今回の件も含め、長年の治療から、患者さんの膨大な資料をコンピュータで管理していると、改めて天然の歯を残す必要性を実感します。歯を残すにしても、上と下の歯の当たり方、噛み合わせはとても複雑で、また耳の前にある顎の関節と共同作業をして関節を基準とした顎の動きを調べ、個人にあった歯の治療を行わないと残せる物も残せなくなるのです。最近、当医院では歯科用CTの導入で、関節の変形しているケースを診る事ができます。自分の歯を残すための資料としては立体的でありCTは必要な手段です。

情報が多いほど歯が残る可能性が高くなるのです。

このように歯の重要性、保存するための治療はいかに大変か解って頂けましたか?

口の中で不安・疑問がありましたら、気軽に連絡してください。

相談をすることで新たな何かを得ることが出来るかもしれません。


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Vol 9 《歯を甘く見ると人生の後半でしっぺ返しをくらう》

2012年11月12日号の月刊プレジデントに、『リタイヤ前にやるべきだった後悔トップ20』が掲載されていました。その中の1位はなんと「歯の定期検診を受けていればよかった」というものでした。それは、とりもなおさず、歯をきちんと治してしっかり噛めるようにしておけばよかった、と後悔した人が沢山いるということです。
この記事の中で、100歳を超えいまだ現役のスーパー医師日野原先生は、歯の健康を保つことこそ長寿の秘訣だということを医師の立場から述べています。

最近ではリタイヤ後の時間が十分にあり、歯科治療に耐えられる体力を温存している人が多く、じっくり時間をかけて歯の治療をすることが出来るのです。

家に例えると、歯は土台の役割を担っています。医学的に、噛み合わせとその人の顎の動きが合うように歯を治し、土台をしっかりしておけば、リタイヤ後の人生において口で困ることがないわけです。

当医院では、これまでの多くの患者さんのデータをコンピュータを使用して管理・保存していますが、それによる私の見解では、リタイヤ後に治療を始めても遅すぎるということは全くありません。治療には、我々歯科医師が口の中のレントゲン等の資料をもとに、噛み合わせの治療計画を立て、それをうまく患者さんに説明したうえで治療を進めていくことが大切です。当医院ではコンピュータを利用し、必要に応じてシュミレーションをする伝達ツールもあるので、患者さんの十分な同意・協力のもとで治療を行うことが出来、抜群の治療効果を得ています。

リタイヤ後の時間を少しだけ歯科治療に使って、美味しいものを美味しく食べられるようにしてみませんか。

あきらめずに歯科医師にご相談ください。


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Vol 8 《最近あったちょっといい話》100歳の患者さんからの伝言

 先日当院に長い間通院されている家族の方から父親が100歳になってもとても元気だとお手紙を頂いた。本人からは後藤歯科で30年近く前に本格的な総義歯を入れてもらってからよく噛める、とても元気だとのこと。実名を出してもいいからこの事を色んな方に伝えていただきたいとの内容であった。(勿論、定期的に歯科検診に来院し、必要ならば修理しているからだ)

また偶然にも同じ頃、山口県から通院している高齢者スイミング世界記録保持者の90歳過ぎの女性から後藤先生に入れ歯を治療してもらって、そのおかげで世界記録を更新したと報告をもらった。

一方、最近脳外科医の友人から紹介された患者さんは、殆ど噛めなく認知症も認められ、余りにも入れ歯が合わないため、初診時入れ歯を取り外したところ、入れ歯の下にガーゼが入っていた。痛いときはガーゼを入れておくよう言われたとのことであった。当然、入れ歯の調整、修理を行っていなかったため下の顎の骨(顎堤)が減っていた。この患者さんの修理は難儀であったが、最後は機能回復に至った。あれだけ噛めない入れ歯を我慢する患者さんの精神力には程々感心するばかりである。

これらのことから、きちんと治療して噛めるようになると本人の目つきが変わり、やる気も起こり健康になる。噛むことがいかに全身に大切か改めて実感した。

しかし、これら難症例を快適に噛めるようにするには、技工士、衛生士等のチーム医療が欠かせない。ここまでくるには幾度となく難題にぶちあたったが、今では患者さんの食生活を快適にする為に当院の医療システムの良さを我ながら実感する。

いかに少ない医療費で最大の効果を得るか。当院にはこれらをサポートするコンピュータシステムがあり、膨大な資料のデータベースから瞬時にデータを取り出せ、今現在では最良の医療行為を行っているつもりである。その結果、34年という後藤歯科医院の歴史を刻んでいる。

私は、転職して歯科医師になった人間ではあるが、現在これだけの歯科医療を行なっていることを世の人々(患者さんも含め)にもっと理解してもらいたいと、大いに感じる今日この頃である。


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Vol 7 《後藤歯科医院のインプラントに対する考え方》

歯並びはお互いの歯を保護するように歯が並んでいますので、仮にどこか一本の歯が失われると失われた歯だけではなく、隣の歯も大きなダメージを受けます。

その歯列を守るために、歯が抜けた部分に義歯やブリッジ等の治療により歯を入れて歯列を保護しますが、最近ではインプラント治療により人工の根を埋入し、その上に歯を入れるという治療も普及してきました。

しかし、インプラント治療は、歯科治療の中の一つの選択肢でしかなく、インプラントありきでの治療と言う事は考えられません。

天然の根に被せ物をしても管理するのが難しい中、人工の根を使っての治療の管理は非常に難しく、口腔衛生の専門家である衛生士が術後の管理方法を十分に説明し、数十年を見据えて長期にわたって患者さん自身をも管理をしていく必要があります。

歯が抜けたら直ぐインプラント治療と言うのではなく、まずは残っている天然の歯を徹底的に治療し、今ある歯をきちんと残してからインプラント治療をする計画を立てなければなりません。

実際、天然の歯を十分に治療してみると、特にインプラント治療が必要では無いケースも多くあり、また治療計画を立てる段階でCTを撮影し、顎の状態を調べてみると、日本人は顎が小さく骨も薄い為にインプラント治療に適応しない事も多くあります。

その為、計画を立てる段階で必ずCTを撮影して顎や骨の状態など調べる必要があります。

また、義歯は噛めない・話しづらい等と言われますが、残っている歯をきちんと治療してから正しく設計されたものであれば、天然歯の人と殆ど変らない食事が出来、会話も問題無く行えます。

そして、脚に人工関節を使い、その箇所が何回も化膿し、その度に入退院を繰り返している知人の現実を見ると、やはり安易に人工物を体内に入れるのではなく、天然の歯牙を保存することの必要性を痛感し


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Vol 6 《虫歯ってなに?その②》


― なぜ多くの人は、虫歯が病気という感覚が無いのか?―

それは、人体の隠された秘密、“適応能力”がすばらしいということ。

適応するから、地球上に人間だけが異常な数で繁殖。自然生物学的にいうと、少しおかしい位かも。

適応能力がスバラシイから、虫歯で噛めなくても、無意識に噛めないと感じる感覚を鈍らせたり、噛む筋肉の力を落として壊れた歯に力が掛からないようにしたり、頭や肩、腰、背骨なんかを変なかみ合わせに合わせて、よじらせたり、曲げたり。色々な仕掛けで、噛めないことをカバーする。

噛めないことが少しずつわからないようになる。

“悪い適応”をする。

顎が取り外せて、車のように他人と貸しっこすることができたなら、噛めない事が良く分かって、歯科医療は劇的に進化するかもしれない。

これは、多くの患者さんの証言によりわかってきた。やはり、真理は机の上に無いようだ。驚くようなことが体に起こってくる。逆流性胃炎などの身体の病気も、歯を治すことにより、よくなった人が多く認められる。

噛めなくなる理由、それは元は小さなムシバ。でもこの小さなムシバの治療が難しいから、日本中に差し歯、入れ歯、抜かれる人、が多い。

・・・なぜ治療が難しいかと言うと・・・

つづく。


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Vol 5《患者さんの涙

先日東京の患者さんから電話があった。「上は総入れ歯、下は前歯のみ残っていて、奥歯両側8本が部分入れ歯。そのバネが両方壊れてガタガタして全く噛めない。インターネットで調べて色々歯医者に電話をしても、何処も一日での入れ歯修理は無理であるとのことで全て断られた。何とかならないか?」との問い合わせ。

電話を受けたのが午後12時。電話で「来院ください。」としてから患者さん、練馬→寒川を電車で移動、到着は午後3時。早速技工士長を呼んで口腔咬合状態を一緒に審査。困っている患者さん。これはかみ合わせの救急とばかりに診断の元に治療開始。型をとり古い入れ歯のオーバーホール。お互いに入れ歯の理論を熟知しているので、技工室との連携開始。義歯が小さく安定が悪いので大きくする。咬みあわせを調べると、恐ろしいほど狂っている。それから、入れ歯の噛む面を全て再配列。私とベテラン技工士が二人でかかりきり。そして、完成、午後5時45分。

最後は後藤歯科恒例、咀嚼テスト。飲み屋で使用するピーナッツ入りのカキピー。全部一度に噛んでもらう。

最初患者さんは半信半疑。実際噛んでみると…こりこり音がして、左右で噛めた。

「本当だ!!」

患者さんの目から涙がぽろぽろ。男泣き。今まで長い間苦労をしたようだ。院内の連携が取れているので、こんな経験をすることが多い。ちなみに入れ歯の殆んどは、その日に修理できるが、中には残念ながら一日のみでは修理無理なケースもある。とはいえ今回もチーム医療の素晴らしさを実感する至福のときであった。


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Vol 4 《虫歯って何?》

知っているようで知らない病気、虫歯は体の一部分が溶けて無くなる病気です。鼻の頭や耳が溶けても決して虫歯とは言いません。体の一部分で、食べ物が最初に触れる口の中の歯が溶ける病気を言います。これは消化器官の病気です。消化器官とは、人間が生きていくために必要な器官で口から入り、お尻から出るまでの管の事です。

長い間の臨床経験から、体の一部分が溶けても、歯に関してはあまり病気という自覚が無い人が多いようです。 なぜでしょう?  

つづく。


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Vol 3 《テレビ出演とその後の電話》

数年前に後藤歯科医院が医療専門のテレビ番組(1時間枠)や夕方のニュース番組の特集(10分)に取り上げられました。そこでは主に咬合が引き起こす症状、及びその治療法に関する取材を受けました。

オンエア翌日、朝から晩まで、4本の電話回線がパンクするほどの問い合わせが全国から寄せられました。(2週間ほどその状況が続きました)その内容は“治療を受けているにもかかわらず噛めない”という事を含んだ、様々な相談でした。数多くの患者さんの症状、治療に対する疑問、それらの迫力に圧倒されました。

問合せ後、県外など遠方にもかかわらず来院される患者さんも多く、おかげで短期間に沢山の難症例を診療し問題解決できました。おそらくこういう機会が無ければ、一生かかっても診られないほどの数だったと思います。現在の歯科医療の問題点、そして今後どのように対策を立てればよいか、テレビ放映後の患者対応から学びました。

百聞は一見に如かず、百見は一触に如かず、講習会に出てお金をかけるよりずっと勉強になったと思います。

今後は、この経験をもとに得られた治療のエビデンスを、マンツーマンで次世代の歯科医師に伝えて行きたいと考えています。(一日や二日の講習会では伝えることは出来ないと思います。)興味のある人は、見学に来てもらえるといいかと思います。(TVオンエア時のDVDもあります。)


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Vol 2 《鼻の頭とダイヤモンド》

私は先日100周年を迎えた県立神奈川工業高等学校の第50期卒業生です。
同期にはサクラで有名な中島千波君がいます。当時の工業高校では理論的な原因と結果の追求に特化した教育を受けました。例えば、「電気を10ボルト出力しました。受けたところでは7ボルトに減弱しました。無くなった3ボルトは何処へ行ったのでしょう?」と、言うことをひたすら追求する、といった感じです。

転職して歯科医師になり、患者さんを診療して今でも不思議に思うことがあります。それは、歯を失ったことが病気によるものだという意識が非常に希薄なことです。歯からたった2~3cm上にあるだけの鼻の頭が溶けたらきっとびっくりするでしょうに、どうしてこんなに患者さんの意識に違いがあるのだろうといつも不思議でなりません。それは、歯が無い人が多いのでそれであまり不思議に思わないからでしょうか?道に転がっている石ころはたくさんあるので誰も価値を認めない。ダイヤモンドが道に沢山転がっていたら、誰も価値を認めなくなってしまうことと同じように、他と極端に区別できなくなると気にならなくなってしまうのでしょうか?

私は、“なぜ歯がなくなったのか?”ということが、“電圧が何故減弱して(無くなって)しまったのか?”という疑問に重なる様に思えてなりません。

石ころ扱いした歯が無くなることで人生の後半で大きなリベンジ(健康被害)をされることを多くの人は知らないままでいます。


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Vol 1 《チーム医療システム》

チーム医療システム遂に完成。人間が一人でできることには限界があります。各自には異なる長所があります。良い部分を延ばし、患者さんを中心にスタッフ全員が院内LANで情報を共有。外科医と麻酔科医が一緒に仕事をするように、入れ歯なども法律の範囲で、技工士がじかに患者さんの要求を聞き、器械上に顎の動きを再現させて製作。チーム医療だから出来ること、計り知れないメリットがあります。

現在国も無駄を省くシステムとしてチーム医療システムを推奨しています。“自分が受けてみたい、自分の家族に受けさせたい、

最高の治療”

後藤歯科医院で目指しているのはこの様な治療です。


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